喜如嘉の芭蕉布 (きじょかのばしょうふ)
本日の作品は喜如嘉の芭蕉布の八寸名古屋帯です。
制作は、平良敏子氏です。
昭和49年、重要無形文化財に認定された「喜如嘉の芭蕉布」は、沖縄本島北部の大宜味村喜如嘉の「喜如嘉の芭蕉布保存会」に於いて、人間国宝 平良敏子さん(平成12年認定)を中心に製作されいる織物です。
芭蕉には3種類あり、深紅の花をつける「花芭蕉」、美味の「実芭蕉」、繊維の取れる「糸芭蕉」があります。
着物1反分の糸を取るには約200本もの芭蕉の木が必要とされます。
良質の糸は良い畑からと言われるだけに、糸芭蕉の栽培は大変重要な最初の段階なのです。
肥料を入れたり、葉や芯を切り落とすといった作業を経て、刈り取った後は皮を剥ぎ、大鍋で煮込み、何工程もある手間のかかる作業を経てようやく糸が出来上がります。
織りよりも、その前準備のほうが当然ずっと長いのですが、平良さん曰く、「織りは全体の100分の1」だそうです。
八寸帯と九寸帯
現在よく見られる芭蕉布の帯は九寸名古屋帯が主流で、お太鼓に「麦の穂」や「ゼニダマー」といった琉球絣が織り込まれていますが、
今回の作品は芯がいらない、かがるだけの八寸帯ゆえ生地が厚めに織ってある為に絣ではなく花織が施されています。
今回の作品は芯がいらない、かがるだけの八寸帯ゆえ生地が厚めに織ってある為に絣ではなく花織が施されています。
厚めに織られているとは言え、見た目以上に柔らかい、しかししっかりと腰のある風合いは前準備にしっかりと費やした良質な糸が物語っているのでしょう。
この作品は最近制作されたものではありません。綺麗に丁寧にまとめられたものではない、勢いと荒々しさの中に個性と想いがキラリと光るそんなワクワクしてしまう作品です。
重要無形文化財に指定された織物であることが伊達ではないことが、見て触れて締めたときに感動として存分に味わえる帯でしょうね。
0 件のコメント:
コメントを投稿