2009年7月27日月曜日

イベント

和の雑貨市
2009/7/18(土)~7/27(月) 

ありがとうございました
さっぽろ地下街 オーロラタウン コミュニケーションスペース
札幌市中央区大通西2丁目(地下街小鳥の広場前)
*丸井今井 地下街入口付近・きたキッチン向い

オーロラタウンでこの雑貨市をやり始めてから、はや7年目を迎えました。毎年たくさんの方々が来て下さり、感謝いたしております。今年も面白い雑貨品を多数展示致しますのでどうぞお楽しみに。


今年の当店の出品品目
・下駄・浴衣(男女)・浴衣帯・巾着・風呂敷・アタバッグ・日本ハムファイターズ半天(北海道の呉服店限定商品)
・子供じんべい・子供げた・子供ゆかた・日傘・帽子・ショール・はぎれ
・暖簾・団扇・扇子・藍染物・古袱紗など
お問合せ先は
京呉服 せき 011-761-6816

2009年7月25日土曜日

夏名古屋帯

  
夏名古屋帯
                   
 
紗(しゃ)による清涼感と軽量さ

本日の作品は夏名古屋帯です。
地は紗になっています。袋帯ですと裏地があるため重なって見えるのですが、名古屋帯ですので、裏地がありません。
よって上段の写真でお分かりですが、透けまくっています(笑)。
しかしこの透け感が夏の帯らしく涼やかに見え、そして軽さを感じますね。
タイトルが「森の銀河」となっています。その名のとおり、木々の中からふと夜空を見上げると銀河がありそして流れ星が・・・。何とも夢が膨らむ素敵な帯ですね。
森林部分は当然として、銀河の部分もそれと分かるように丁寧に織られています。デザインもよくできていますが、配色も地色が黒では無く、あえて墨色にしてあるところがナイスです。

白芯?黒芯?

左は白生地を、右は黒地の八掛の上にそれぞれ乗せてみました。
ただ乗せているだけなので、写真では何か「もやっと」した雰囲気に感じますが、仕立てるともっと密着しますのでその心配はなくなります。
白地だと影の感じがし、黒地だと自然な感じに見えます。好みにもよると思いますが、夜空のイメージなので、私は黒地の方をお薦めしたいです。やや濃い目のグレー系でも面白いと思います。

大人のめるへん

右の写真は前腹部分です。三日月と流れ星がすくいで織られています。
通常こういった類の帯はたんなる「うけ」狙いで製作され、仕事も単調な為にすぐ飽きられる傾向にありますが、この機屋さんの帯はどれも柄行だけでなく、織はすくい、金部分は本作品もそうですが本金を使うなど「うけ」狙いだけではとうてい済まない仕事内容になっています。
そのため価格も「くすっ」と笑える状態ではありませんが(笑)、洒落やムードを楽しむ、
大人のめるへん」としての装い、きものは何に併せよう?と考えただけでも楽しくなりますね。
夏が来れば締めたくなる、そんな気持ちにさせてくれる逸品です。

2009年7月12日日曜日

会津上布

会津上布(あいづじょうふ)




日本最古の織物の原料「からむし」

からむし(別名・苧麻(ちょま))はイラクサ科の植物で、からむし織は青森県の三内丸山遺跡(縄文後期)からも出土してる日本古来の織物です。かつては日本の各地で栽培され、布として使用されていましたが、綿花の栽培技術の普及とともに次第にその姿を消していきました。

そうした中で、福島県昭和村は、本州唯一の上布原料苧麻(からむし)の産地となったのです(本州以外では沖縄の宮古・八重山地方で生産されています)。毎年、夏の土用前に刈りとったカラムシの茎を苧引(おび)きして取り出された繊維を細かく裂き、糸を紡いでいきます。原料の状態から完成までに約5ヶ月を要する大変手間と根気のいる作業です。
現在、からむし織の技法は福島県無形文化財に指定され、苧麻の栽培技法および苧引きの技法は国選定保存技術に指定されています。しかし村では現在からむし栽培をしているのは約40戸。からむし織の伝統を守っている女性は約15人で50代以上が中心だそうです。(昭和村からむし生産技術保存協会より)



いざり機で丹念に織られた逸品

階段状の線と十字絣、そして若葉マークがひっくり返ったような稲のような形の面白い文様が織り込まれています。地色といい、配色といい、なんとも言えないやさしさと温かみ(夏物ですが)がありますね。越後上布と同様、麻織物の極上品として、軽く・吸湿性に富むため夏には最適な素材です。本麻の長襦袢との取り合わせがグーだと思います。


現在では希少となってしまいましたが、夏が待ち遠しくなる逸品です。