2009年7月25日土曜日

夏名古屋帯

  
夏名古屋帯
                   
 
紗(しゃ)による清涼感と軽量さ

本日の作品は夏名古屋帯です。
地は紗になっています。袋帯ですと裏地があるため重なって見えるのですが、名古屋帯ですので、裏地がありません。
よって上段の写真でお分かりですが、透けまくっています(笑)。
しかしこの透け感が夏の帯らしく涼やかに見え、そして軽さを感じますね。
タイトルが「森の銀河」となっています。その名のとおり、木々の中からふと夜空を見上げると銀河がありそして流れ星が・・・。何とも夢が膨らむ素敵な帯ですね。
森林部分は当然として、銀河の部分もそれと分かるように丁寧に織られています。デザインもよくできていますが、配色も地色が黒では無く、あえて墨色にしてあるところがナイスです。

白芯?黒芯?

左は白生地を、右は黒地の八掛の上にそれぞれ乗せてみました。
ただ乗せているだけなので、写真では何か「もやっと」した雰囲気に感じますが、仕立てるともっと密着しますのでその心配はなくなります。
白地だと影の感じがし、黒地だと自然な感じに見えます。好みにもよると思いますが、夜空のイメージなので、私は黒地の方をお薦めしたいです。やや濃い目のグレー系でも面白いと思います。

大人のめるへん

右の写真は前腹部分です。三日月と流れ星がすくいで織られています。
通常こういった類の帯はたんなる「うけ」狙いで製作され、仕事も単調な為にすぐ飽きられる傾向にありますが、この機屋さんの帯はどれも柄行だけでなく、織はすくい、金部分は本作品もそうですが本金を使うなど「うけ」狙いだけではとうてい済まない仕事内容になっています。
そのため価格も「くすっ」と笑える状態ではありませんが(笑)、洒落やムードを楽しむ、
大人のめるへん」としての装い、きものは何に併せよう?と考えただけでも楽しくなりますね。
夏が来れば締めたくなる、そんな気持ちにさせてくれる逸品です。

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