紫根とは
本日の作品は紫根染めの絞り名古屋帯です。
制作は馬下助左衛門(まおろし すけざえもん)氏です。
氏は山形・米沢の豊かな自然の恵みで染めた糸を丹念に織り上げ、温もり溢れる着物や帯の製作を代々続けて、現在で16代目になります。
伝統を守りつつ、新たな技にも挑戦し、織だけでなく一珍(いっちん)染めや刷毛(はけ)染めなども製作しており、今回の作品もそのひとつです。
紫根とはムラサキという植物の一種の根の部分であり、(多年草、初夏から夏にかけて白い花を咲かせます)生薬のひとつにもなっていますが、万葉集にもその名が出るほど歴史は古く、奈良時代から江戸時代末期まで栽培が行われ、江戸時代には染められた絹を鉢巻にし、病気平癒の為、頭にまく風習が生まれたそうです。
元来栽培自体が難しく、ムラサキの自生地が激減したことにより、現在多くの紫染めは化学染料によるものとなっています。
手間ひまかけた色合いと絞り
紫根染めといえば、「南部紫根染め・茜染め」がよくきかれますね。それらの作品はいずれご紹介します。
絞りの部分はよく見ると、きれいな麻の葉文様に絞られています。
あえて全部絞らずに、じっくり染め上げた紫根色を堪能させるかのように残した憎い作りかたです。
藤色、灰色、白色系などにあわせるとさっぱりした雰囲気になりますね。
良いセンスと手間ひまがかかったステキな帯です。
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