龍村織物制作 袋帯
「甲比丹孔雀文」(かぴたん くじゃくもん)
カピタン(甲比丹、甲必丹、加比旦)
本日の作品は袋帯です。制作は龍村平蔵で有名な龍村織物です。
タイトルは「甲比丹孔雀文」となっています。
「甲比丹」とは江戸時代、東インド会社が日本に置いた商館の最高責任者「商館長」のことを言いますが、ポルトガル語で「仲間の長」という意味があり、南蛮貿易の際、船長のことをさしていました(英語のキャプテンと同語源)。
その船長がもたらした広幅の縞織物を「甲比丹縞」と呼ばれ、今日、名物裂のひとつに名を連ねています。
右側の写真は帯の裏になりますが(本袋なので、共生地です)、裏側にも手を抜かず、シンプルな甲比丹縞が織り込まれています。
左側の写真は孔雀部分のアップですが、分かりますでしょうか?
青色の部分が羽根で、ちょうど後ろを振り返っているような感じになっています。(アップよりも上段の写真の方が分かりやすいかも(笑))
ワンランク上の楽しみ方
右の写真は同じく前腹の部分ですが、たっぷりと織られています。
やはり赤の縞が効いていますね、有ると無いとでガラっと雰囲気が変わります。
(たとえ方がおかしいですが)、このもっちゃりとした独特の織り加減と味わい深い孔雀と縞の取り合わせ。
そしてこの地色と柄の配色が何とも楽しい気持ちにさせてくれます。
洒落の袋帯としては申し分の無い帯です。結城や大島、黄八丈などの工芸品から、こだわりの染め着尺など、ワンランク上の取り合わせを楽しみたい、そんな気持ちにさせてくれる素敵な袋帯です。
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