からむし織 名古屋帯
苧麻(ちょま)
本日の作品はからむし織の名古屋帯です。更紗染めを施しています。
からむし(別名・苧麻(ちょま))はイラクサ科の植物であり、からむし織は青森県の三内丸山遺跡(縄文後期)からも出土してる日本古来の織物です。
かつては日本の各地で栽培され、布として使用されていましたが、綿花の栽培技術の普及とともに次第にその姿を消していきました。
刈りとったカラムシの茎を苧引(おび)きして取り出された繊維を細かく裂き、糸を紡いでいきます。
原料の状態から完成までに約5ヶ月を要する大変手間と根気のいる作業です。
そうして織り上がったからむしはザックリとした風合いと素朴さが良い味を出していますが、この作品は地色を染め、そして更紗染めを施しています。
暑くなる季節をたのしくさせる
右の写真は信州の星野織物制作の絽紬にあわせてみました。
絽紬は縞系が多いのですが、これは無地ですのでバランスが良いかなと思い、のせてみました。
からむし織も更紗染めをすることによって従来の味わいのある無地織りとはまた違った、地色と配色が楽しい帯になりましたね。
生地のザックリ感と楽しい柄付け、暑くなる季節を楽しませてくれるお洒落な帯です。
コーディネイトとしては、山ぶどうの籠やアタバッグなどを持つと より一層お洒落な感じになるでしょうね。