2009年11月19日木曜日

小紋

紬地・加工着尺 「呼継」(よびつぎ)
 
くっついても離れない

本日の作品は加工着尺です。難しい言い方ですが要は紬地に染めでは無い加工を施した小紋着尺です。
タイトルは「呼継」となっていますが、呼継(よびつぎ)とは、陶器に使われる技法で、窯趾付近に散らばっている陶片を拾い集め、異なる器の破片を工夫しながら接着して、茶碗などひとつの作品に仕上げたものを呼びます。
「くっついても離れない」という意味で結婚式の縁起物に使われることもあるようです。写真でみた感じは生地に描かれたものを縁取りしたようにみえますが、「呼継」の名の通り、別の生地を接着してから縁を縫っています。
裏から見るとアップリケの感じに似ていますね。
紬の生地は「特蚕手紡紬」という小千谷の紬を後染めしたものです。地色と継いだ生地の雰囲気がマッチしていますね。

呼継の名古屋帯

右の写真は同じく「呼継」の名古屋帯です。地色と加工を縦から横にするだけで、ガラッと雰囲気が変わりますね。
継がれている生地もいろいろあってどれも素敵な柄です。
帯の場合は、柄の配置が難しいですが、お太鼓と前腹に入れるだけで良いのです。しかし上記の小紋は万遍なく入れなくてはいけないのでかなり手間が掛かります。
秋冬に向かって楽しんでいただける素敵な着物と帯です。