紫根とは
本日の作品は紫根染めの絞り名古屋帯です。
制作は馬下助左衛門(まおろし すけざえもん)氏です。
氏は山形・米沢の豊かな自然の恵みで染めた糸を丹念に織り上げ、温もり溢れる着物や帯の製作を代々続けて、現在で16代目になります。
伝統を守りつつ、新たな技にも挑戦し、織だけでなく一珍(いっちん)染めや刷毛(はけ)染めなども製作しており、今回の作品もそのひとつです。
紫根とはムラサキという植物の一種の根の部分であり、(多年草、初夏から夏にかけて白い花を咲かせます)生薬のひとつにもなっていますが、万葉集にもその名が出るほど歴史は古く、奈良時代から江戸時代末期まで栽培が行われ、江戸時代には染められた絹を鉢巻にし、病気平癒の為、頭にまく風習が生まれたそうです。
元来栽培自体が難しく、ムラサキの自生地が激減したことにより、現在多くの紫染めは化学染料によるものとなっています。
手間ひまかけた色合いと絞り
紫根染めといえば、「南部紫根染め・茜染め」がよくきかれますね。それらの作品はいずれご紹介します。
絞りの部分はよく見ると、きれいな麻の葉文様に絞られています。
あえて全部絞らずに、じっくり染め上げた紫根色を堪能させるかのように残した憎い作りかたです。
藤色、灰色、白色系などにあわせるとさっぱりした雰囲気になりますね。
良いセンスと手間ひまがかかったステキな帯です。
2010年1月18日月曜日
助左衛門
紫根(しこん)染め 絞り名古屋帯
2010年1月10日日曜日
掲載商品3
美しいキモノ 2008年冬号掲載
「宝尽くし文様 名古屋帯」

江戸小紋に色無地に
塩瀬の生地になんともすっきりとした宝尽くしの刺繍が入った可愛い帯でしょう!
縫い糸の配色も良いのですが、やはり図案勝ちですね。鶴と海老がものすごく可愛いです。
上段の写真は縞の小紋を、右の写真は全くわかりませんが、市松に型どられた、行儀通しの江戸小紋にあわせてみました。
「美しいキモノ」では、竺仙の江戸小紋にあわせていました。
お祝いの席に最適
基本的には江戸小紋・色無地・ややフォーマルな柄付けの小紋などが最適です。
地色が白地ということもあって色あわせも楽だと思います。右下の写真はたつむら製作のクリーム地の紋意匠・色無地です。
きものには唐草を主体に龍とたつむらのロゴマークがところどころに、八掛にはたつむらのロゴマークのみが織り込まれています。
「宝尽くし文様 名古屋帯」
江戸小紋に色無地に
塩瀬の生地になんともすっきりとした宝尽くしの刺繍が入った可愛い帯でしょう!
縫い糸の配色も良いのですが、やはり図案勝ちですね。鶴と海老がものすごく可愛いです。
上段の写真は縞の小紋を、右の写真は全くわかりませんが、市松に型どられた、行儀通しの江戸小紋にあわせてみました。
「美しいキモノ」では、竺仙の江戸小紋にあわせていました。
お祝いの席に最適
基本的には江戸小紋・色無地・ややフォーマルな柄付けの小紋などが最適です。
地色が白地ということもあって色あわせも楽だと思います。右下の写真はたつむら製作のクリーム地の紋意匠・色無地です。
きものには唐草を主体に龍とたつむらのロゴマークがところどころに、八掛にはたつむらのロゴマークのみが織り込まれています。
掲載商品2
掲載商品1
美しいキモノ 2008年秋号掲載
「織名古屋帯」見留敦子制作
上段のアップの写真のにあるように、葉の絣模様と紗織りがミックスされたとても楽しい帯です。この帯のタイトルは「卯月」と付けられているので、春のコーディネイトとしては申し分の無い帯だと思います。右横の写真はさわやかな感じを意識して、薄い黄緑がかった小千谷紬にあわせてみました。
生地のしなやかさと軽さ
さすがに手間隙をかけ、こだわって織られた作品だけあって生地のしなやかさとはりが見事に同居している素晴らしい帯です。右下の写真は新田英行氏の紅花染め紬にあわせてみました。同系色なので、濃い色目にのせても違和感がないです。「美しいキモノ」では黒地の紬にあわせていました。
「織名古屋帯」見留敦子制作
上段のアップの写真のにあるように、葉の絣模様と紗織りがミックスされたとても楽しい帯です。この帯のタイトルは「卯月」と付けられているので、春のコーディネイトとしては申し分の無い帯だと思います。右横の写真はさわやかな感じを意識して、薄い黄緑がかった小千谷紬にあわせてみました。
生地のしなやかさと軽さ
さすがに手間隙をかけ、こだわって織られた作品だけあって生地のしなやかさとはりが見事に同居している素晴らしい帯です。右下の写真は新田英行氏の紅花染め紬にあわせてみました。同系色なので、濃い色目にのせても違和感がないです。「美しいキモノ」では黒地の紬にあわせていました。
2010年1月5日火曜日
塩瀬 染め帯
塩瀬地 染め名古屋帯
本日の作品は塩瀬地の染め名古屋帯です。
制作は成田 華仙(なりた かせん)氏です。氏は東京友禅の第一人者である熊谷 好博子(くまがい こうはくし 大正6~昭和60年)のもとで学び、熊谷氏の世界を見事に継承しています。
写真では分かりにくいのですが、地色も真っ黒ではなく、ほんのり紺がかっており、またその部分も杢目が摺り込まれています。左側の写真は前腹の部分です。
帯締めは柄ものでは無く、無地のすっきりとした感じのもので締めたほうが良いですね。
凛とさせる帯
着物合わせはどちらかというとやはりモノトーンの感じがすっきりとしますが、あえて同色系で合わせて帯締めを利き色にもっていくというのも面白い合わせ方になると思います。
右の写真は山形で染織をしている現在十六代目の馬下 助左衛門(まおろし すけざえもん)氏制作の紬着尺です。絹の光沢と矢車草の色目が綺麗に織り成されて杢目の雰囲気とマッチしています。
着物の格好良さと女っぷり度(笑)をグッと盛り上げてくれる素敵な帯です。
2009年12月11日金曜日
袋帯
龍村織物制作 袋帯
「甲比丹孔雀文」(かぴたん くじゃくもん)
カピタン(甲比丹、甲必丹、加比旦)

本日の作品は袋帯です。制作は龍村平蔵で有名な龍村織物です。
タイトルは「甲比丹孔雀文」となっています。
「甲比丹」とは江戸時代、東インド会社が日本に置いた商館の最高責任者「商館長」のことを言いますが、ポルトガル語で「仲間の長」という意味があり、南蛮貿易の際、船長のことをさしていました(英語のキャプテンと同語源)。
その船長がもたらした広幅の縞織物を「甲比丹縞」と呼ばれ、今日、名物裂のひとつに名を連ねています。
右側の写真は帯の裏になりますが(本袋なので、共生地です)、裏側にも手を抜かず、シンプルな甲比丹縞が織り込まれています。
左側の写真は孔雀部分のアップですが、分かりますでしょうか?
青色の部分が羽根で、ちょうど後ろを振り返っているような感じになっています。(アップよりも上段の写真の方が分かりやすいかも(笑))
ワンランク上の楽しみ方
右の写真は同じく前腹の部分ですが、たっぷりと織られています。
やはり赤の縞が効いていますね、有ると無いとでガラっと雰囲気が変わります。
(たとえ方がおかしいですが)、このもっちゃりとした独特の織り加減と味わい深い孔雀と縞の取り合わせ。
そしてこの地色と柄の配色が何とも楽しい気持ちにさせてくれます。
洒落の袋帯としては申し分の無い帯です。結城や大島、黄八丈などの工芸品から、こだわりの染め着尺など、ワンランク上の取り合わせを楽しみたい、そんな気持ちにさせてくれる素敵な袋帯です。
「甲比丹孔雀文」(かぴたん くじゃくもん)

カピタン(甲比丹、甲必丹、加比旦)
本日の作品は袋帯です。制作は龍村平蔵で有名な龍村織物です。
タイトルは「甲比丹孔雀文」となっています。
「甲比丹」とは江戸時代、東インド会社が日本に置いた商館の最高責任者「商館長」のことを言いますが、ポルトガル語で「仲間の長」という意味があり、南蛮貿易の際、船長のことをさしていました(英語のキャプテンと同語源)。
その船長がもたらした広幅の縞織物を「甲比丹縞」と呼ばれ、今日、名物裂のひとつに名を連ねています。
右側の写真は帯の裏になりますが(本袋なので、共生地です)、裏側にも手を抜かず、シンプルな甲比丹縞が織り込まれています。
左側の写真は孔雀部分のアップですが、分かりますでしょうか?
青色の部分が羽根で、ちょうど後ろを振り返っているような感じになっています。(アップよりも上段の写真の方が分かりやすいかも(笑))
ワンランク上の楽しみ方
右の写真は同じく前腹の部分ですが、たっぷりと織られています。
やはり赤の縞が効いていますね、有ると無いとでガラっと雰囲気が変わります。
(たとえ方がおかしいですが)、このもっちゃりとした独特の織り加減と味わい深い孔雀と縞の取り合わせ。
そしてこの地色と柄の配色が何とも楽しい気持ちにさせてくれます。
洒落の袋帯としては申し分の無い帯です。結城や大島、黄八丈などの工芸品から、こだわりの染め着尺など、ワンランク上の取り合わせを楽しみたい、そんな気持ちにさせてくれる素敵な袋帯です。
2009年11月19日木曜日
小紋
紬地・加工着尺 「呼継」(よびつぎ)
本日の作品は加工着尺です。難しい言い方ですが要は紬地に染めでは無い加工を施した小紋着尺です。
タイトルは「呼継」となっていますが、呼継(よびつぎ)とは、陶器に使われる技法で、窯趾付近に散らばっている陶片を拾い集め、異なる器の破片を工夫しながら接着して、茶碗などひとつの作品に仕上げたものを呼びます。
「くっついても離れない」という意味で結婚式の縁起物に使われることもあるようです。写真でみた感じは生地に描かれたものを縁取りしたようにみえますが、「呼継」の名の通り、別の生地を接着してから縁を縫っています。
裏から見るとアップリケの感じに似ていますね。
紬の生地は「特蚕手紡紬」という小千谷の紬を後染めしたものです。地色と継いだ生地の雰囲気がマッチしていますね。
呼継の名古屋帯
右の写真は同じく「呼継」の名古屋帯です。地色と加工を縦から横にするだけで、ガラッと雰囲気が変わりますね。
継がれている生地もいろいろあってどれも素敵な柄です。
帯の場合は、柄の配置が難しいですが、お太鼓と前腹に入れるだけで良いのです。しかし上記の小紋は万遍なく入れなくてはいけないのでかなり手間が掛かります。
秋冬に向かって楽しんでいただける素敵な着物と帯です。
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